和の力・温もり・陰翳礼賛07|和美再発見|街と対話する家
街角の建物として印象的な姿をしたこの住まい。
塀や囲いを用いずに建築的に街との関わりを考えました。白く飛び出した部分の右側には大きな板度があって、生活の様子にあわせて開けたり閉めたりしてプライバシーをコントロールします。
うだつ壁が象徴的に、また、力学的に建物を支えます
下見板張には少しえんじ色を加えた色合いのペイント。
そこに対比的に白い部分を配分すると華やかな印象が生まれます。
最近の街は汚れを意識してか、ネズミ色が多いのですが、こうして、少ない面積でもよいので城漆喰のようなシロを差込むだけで
明るい印象が生まれます。キリズマ形状を形よく見せるには、2.5間でまとめると綺麗です。
02|平面図|新しい2間続きと田の字プランのカタチ
光庭の左には街と光庭を区切る大型の引戸があって、下部のうだつ壁に格納されます。
注意深く観ていただくと引戸はさまざまな場所に引き込まれ全開します
畳と畳、板の間と畳の間この間を廻り縁が動きをもってそれぞれを仕切り、また、結びます。
少々の工夫ですが、舞台のようなふた間続きができました。
03凛とした佇まい。下見板に映える白壁
白い出っ張りの右側|大型引戸を全開しています。
04ソト壁の大型引戸を開け放ち街とのつながりを生んだ状態
写真上|L字に取り合う建具を全開した様子
写真下|建具を閉めた様子|まだ植栽が入る前の写真ですが、ソトニワとウチニワが連続しどこまでも視線が広がります。街と対話する|風景だけでなく、道すがら行き交う人とも交流を促すような新しいプライバシーの考え方を示しています。
05陰翳と広がり
写真上下|木製のガラス戸や全ての建具を全開した様子。ソトとウチが一体的に広がります。閉ざした様子。
06板の間と畳の間、そして、ソト空間までの広がり
写真上|廻り縁から座敷方向を望む。写真下|広間から2間続き方向を見る。
07広がりと落着き
引戸を全閉じした様子と全開した様子。
08能舞台の橋懸かりのような廻り縁
障子が創りだす陰翳。少しの仕掛けで空間の表情が大きく変化しています。
09光庭
植え込みが済んでいませんが遠く神社の鎮守の木々が望めます。
10板度全開の様子
幾重にも風景を重ねます。