長谷川建築デザインオフィス株式会社

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ユニークプロジェクト

和の温もり・陰翳礼讃|浦和・古木と囲炉裏の中庭住居

  

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

駐車場側の姿|多くの視線に曝される面。囲い過ぎずプライバシーを保つ。

正方形2個分480×240

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

水はけが悪い町というものはあるもの。住まい手はそのとき敷地を高く盛り上げたい衝動にかられる。すると街路と住まいは馴染みが薄れ、おおきな閾(しきい)が生じてしまう。こんもりと盛り上げ、水はけよい仕上げとし、天然石の階段2段で増水時の仕切りをつくる。あえて屋根の軒裏を見上げながらアプローチ。そして、さりげない植栽と灯りで客人を迎えるかまえ。

正方形2個分480×240

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

★敷居を床まで下げてみよう★ 注意深く見ると、敷居を下げた効果が理解いただけるだろうか。まず全開した部分の「敷居」が消えている。また扉の分厚い「框・かまち」が小さく見える。庭との連続感をつきつめると、建具が消えるだけではだめで、上下に敷居の溝だらけなのは、痛々しい。敷居はできるだけ下げる、これがよい。

正方形2個分480×240

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

              
正方形2個分480×240

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

★古材を粋に遊ぶ★ 古材は使い方で野暮にもなる。こうすれば粋ということは定義できないが、使い方の注意事項を少々。「梁」ならば安全性に考慮して荷重は架けすぎない。対比を促す関係性づくりが基本であり、新材と古材を組み絡めるとよい。色彩の対比も効果的。空間の中心を担わせるなら、この例のように囲炉裏などと組み合わせるのもよい。

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

古木と自在カギ|畳を外すと囲炉裏がしつらえられている

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

デスクコーナーのあるリビングから囲炉裏の間を見る

              

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

坪庭に面して設けたデスクコーナー★カウンターがそのままテレビボードへと変化してゆく

              

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

坪庭を借景するデスクコーナーは上げ下げ障子をしつらえて

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

★吹抜けから見下ろす★デスクからテレビボード、そして、階段へと結ばれてゆくロングカウンター。

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

★集いたくなる階段はじまり★アイストップを明るくすると快適性が増す。タイヤのついた個性的なテーブル。軽快なソファ(カッシーナ)。

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

踊り場から先は見せずドラマチックに演出。格子やすりガラスで透け方の調子を変える トップライトから距離をとってポリカ版で光を拡散

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

吹抜リビングの続きでダイニングが広がる★跳ね出して支える 跳ね出して受ける手法は、組積造では見られず、近代以降、キャンティレバーとして鉄、コンクリート工法でにぎやかだ。実は、日本の木造において跳ね出しは古来1000年以上前から、さまさまな可能性を成した技術。5メートルにも及ぶ古建築の雄大な軒先は、尾垂木とよばれる跳ね出し梁を基点に巧みな材の組合わせで成される。現代建築から失われ始めている伝統架構の合理性を、少しでも継承し現代空間に活かしたい。

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

吹抜リビングの続きでダイニングが広がる。右側は中庭。

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

リビングとダイニングを見る

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

ダイニングはブラックの家具と白木の大テーブルの対比

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

そこはかとなく北欧風の寝室★寝室こそ光環境を柔らかに★ 間接照明は光源が直接見えないため目映くないし穏やかな印象になる。隠しやすい電球形状として蛍光灯を用いるが、色温度の低い(低いとは炎の色に近いということ、高いとは白っぽいことを示す)ものがよいだろう。蛍光灯には「電球色」3000K(ケルビン)「昼白色」5000K、「昼光色」6500Kなどの種類があるが、寝室には電球色が穏やかに映る。

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

高い天井のベッドルームは直接照明を避け間接照明で柔らかく。

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

浴室も陰翳を大切に借景を効かせている

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

中庭とブリッジ

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

回遊性のあるブリッジと物干テラス★視線を遮るためにブリッジを活用した家であるが、そのブリッジの先端には物干場を置き、リビングから干し物を遠ざけた。一方2洗濯物を階へすぐ取込めるように、1階と螺旋で中庭に降りれる立体回遊。物干という毎日の労働が少し楽しい気分になる。

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

囲炉裏の間の小庭

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

庇と塀の関係性

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

隅に個性を出す

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

建物と囲いを一体的に設計すると、土地への据わりがよくなる

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

歩行者と駐車場のレベルには、通風性のよい大和塀。高いところからの目線はブリッジでブランド効果をつくっている。

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

ブリッジが中庭を暗くしないようすりガラスを使用

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

白い伸びやかな塀は曲がると分厚い外収納付きの塀となる

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

玄関ポーチ★おもてなしのカタチ

陰翳礼讃|浦和・古木囲炉裏の中庭住居

玄関ポーチの夕景★街をすこしばかり美しくする役割を、住宅は担っているのではないでしょうか。

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